聖心女子学院|デジタルパンフレット
23/28

人間に興味を持つ世代を育てるスタンフォード国際多文化教育プログラム (SPICE) 講師 東北大学客員教授・一般社団法人スカイラボ共同代表ヤング吉原麻里子 さん71回生1986年卒業聖心での学びと体験が翻訳家としての基礎に英米文学翻訳家 書評・エッセイ執筆白百合女子大学・フェリス女学院大学講師三辺律子 さん71回生 1986年卒業心の指針をつくる場所初めて三光町校舎を訪れたとき、緑豊かなキャンパスと初等科校舎の美しい佇まいに心奪われたことを今でもよく覚えています。正門から本館へと続く坂道の景色や、荘厳な聖堂での祈りの時間は、常に新鮮な感動や静謐な気持ちを与えてくれました。聖心の豊かな環境は私にとっての美しさの原点です。また在学中、授業やミサで言及される社会問題、ハイチデーや奉仕活動への参加は、周囲に目を向ける機会をくれ、活躍する諸先輩方の講演会や著作に触れることで、他者のために行動することの大切さを学びました。“他者への貢献”は思考の原点です。聖心は、私に心の指針を作ってくれました。この指針は“利用者だけでなく周辺地域や地球環境にも配慮した美しい建物を目指す”という、自分が働く上での大きな目標の礎となっています。そして自身の目標を実践していくことで、子供達や周囲の人々が心の指針を作る際のきっかけとなる存在でありたいです。一級建築士株式会社日建設計 設計部門 プロジェクトアーキテクト三井麻衣子さん86回生 2001年卒業東京大学工学部建築学科、及び同大大学院工学系研究科建築学専攻を卒業。在学中にチューリッヒ工科大学(スイス)に留学。2009年より株式会社日建設計・設計部門にて勤務。超高層ビル、大学研究施設、ホテル等の意匠設計を担当。現在は双子男児を育てながら同社で働いている。世界中に卒業生を抱える聖心コミュニティーの一員として、私たちは幼い頃から、自分たちは地球社会の一員だというワクワクとした自覚と、どんな小さなことでも「人のために何ができるか」を考えるヒューマニストとしての心を育む機会をいただいてきたように思います。今は中学生から大学院生まで多様な年齢層を対象に、日本とアメリカの狭間で教育活動に関わっていますが、そこで実現したいのは「人に興味を持つ世代を育てる」ということです。(※)聖心女子大学文学部卒業後、米国に留学。2000年にスタンフォード大学で博士号(政治学)取得。シリコンバレーで二女一男を育てながら、教育と研究活動に携わる。著書に『世界を変えるSTEAM人材』(朝日新書)。人生の糧となり道標となる聖心スピリット三光町の12年間で強く心に刻まれた教えの一つに「generosity」があります。物惜しみしないことを意味し、他者に寄り添い奉仕する惜しみない心を大事にした創立者の想いを表す言葉です。私は、実社会に貢献する仕事がしたいと考え、卒業後は法学部に進学し、現在は弁護士として主に国内外の企業買収案件に従事しています。企業の重大な局面をサポートするにあたっては、難解な判断や、時に多忙を極めることもありますが、この教えが自身の思考や行動の礎を形成していることを実感します。学院生活を振り返ると、他者、ひいては世界に目を向けて視野を広げる機会、また、他者に寄り添い自らの役割を考える機会が豊かにあり、その根底には物惜しみしない心と、それを正しく使える芯の強さやしなやかさを育むスピリットがありました。さらに、その聖心スピリットを共有し、時を超えて心を通わすことのできる友人や先輩後輩も、かけがえのない財産であると確信しています。翻訳の勉強を始めた時につくづく感じたのが、聖心の英語教育の質の高さです。よく「学校の勉強って何の役に立つの?」といった疑問を耳にしますが、私の場合は、学校の勉強こそが仕事に直結しました。今の仕事の基礎は、すべて中高で養ったと言っても過言ではありません。また、子ども時代の豊かな文化体験が大人になってからの生きる「地力」になることも実感。それを教えてくれたのも、一貫校ならではの聖心の行事や体験学習でした。(※)聖心女子大学文学部英語英文学科卒業、都市銀行及び聖心女子大学英文研究室勤務を経て、白百合女子大学大学院児童文化学科修了。文芸翻訳、訳書は『ジャングル・ブック』など130冊以上。編著書に『翻訳者による海外文学ブックガイドBOOKMARK』、共著に『今すぐ読みたい!10代のためのYAブックガイド150』など。弁護士西村あさひ法律事務所勤務内海友理さん93回生 2008年卒業慶應義塾大学法学部、慶應義塾大学法科大学院卒業。弁護士として西村あさひ法律事務所に勤務。渉外弁護士として国内外のM&Aディールを中心とした企業法務に携わる。建築設計教育法曹翻訳・執筆22

元のページ  ../index.html#23

このブックを見る