明治大学長 大六野 耕作 明治維新から13年後の1881年、明治大学（当時の明治法律学校）は、まだ20代後半の若い法学者（岸本辰雄、宮城浩蔵、矢代操）によって産声を上げました。一昨年創立140周年を迎え、都市型総合大学として本邦を代表する私立大学の揺るぎない地位と名声を確立し、日本のみならず世界をリードする有意な人材を数多く輩出してきました。 いま世界は、これまでにもまして解決困難な問題に直面しています。グローバル経済はとてつもない規模の富を生み出す一方で、富の格差をも生み出し、それに起因する他者への不寛容がデモクラシーを脅かしています。また、膨大な化石エネルギーの消費から生じる地球温暖化はグローバルな気候変動を生み出し、さまざまな環境破壊や自然災害をもたらしています。そしてコロナ禍やロシアとウクライナの戦争に代表される地域紛争は、社会のあらゆる局面で、社会の分断を深刻なものにしています。こうした事態に立ち向かうためには、人類がその国籍や言語、文化、宗教、価値観を超えてつながり協働する他はありません。 中学・高校の6年間は人生における重要な基礎が築き上げられる貴重な時期です。これからの学校生活において、さまざまな価値観を持った友人や先生、すなわち自分以外の「他者」と触個を磨き他を重んじる精神を教えてくれた母校明治は、生徒一人ひとりが勉学や部活動など、自分の好きなことに専念できる環境が整っています。私も在学中は柔道部に所属し日々稽古に励んでいましたが、同じように好きなことに専念する仲間の存在はとても大きく、尊敬すべきかけがえのない友人がたくさんできました。在学時に身についた、個を磨き他を重んじる精神は、社会人になった今でも私の軸となっており、その精神を教えてくれた明治は自慢の母校です。れ合う中で、多くの刺激を得ることと思います。また、明治大学が開校した唯一の直系付属校である明治高等学校・明治中学校は、高大接続教育実践の場として非常に恵まれた学習環境が整っています。大切なことは、皆さんがこの貴重な機会をどう活用し、同じ課題を共有する人々とどう「つながる」かなのです。豊かな時代に才能を持って生まれた皆さんは、自らが果たすべき「役割・使命」を見いだし、自身の夢の実現に向け、未来に果敢にチャレンジをしてください。明治に息づく「質実剛健」「独立自治」卒業後しばらくたつと、大企業で活躍している同窓生や、自ら起業して会社を大きくしている同窓生に多く出会います。私自身、一緒に会社を立ち上げ、一緒にビジネスもしました。大人になった今でも、切磋琢磨し、尊敬できるかけがえのない仲間たちです。共通しているのは「質実剛健」「独立自治」。いつの時代においてもリーダーに求められる資質かと思います。私の根底に流れている大切な価値観です。11PRESIDENT'S MESSAGE三井不動産レジデンシャルサービス株式会社 管理品質部荻野 すみれさんGRADUATES' MESSAGEウェルビー株式会社 取締役副社長 公認会計士千賀 貴生さんの大学学び大学長メッセージ社会人卒業生からのメッセージ「個」を強くする大学
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