東邦音楽大学附属東邦中学校・東邦高等学校|デジタルパンフレット
21/24

21城之内 私は今、東邦の短大・大学で教える立場にいますが、附属中高出身の人たちは、リーダーシップがとれると思っています。中高の年代からクラスコンサートや定期演奏会、「世界遺産トーチランコンサート」などいろんな現場を踏んでいるので、多くの経験値を持っているんです。中川 トーチランコンサートでの経験は大きいと思います。私は中学から高校まで6年間出演させてもらいましたが、羽田空港での毎月のコンサートをはじめ、京都や、外国への演奏旅行にも参加しました。中高の年齢でプロのミュージシャンの方々と一緒のステージに立つ経験はなかなかできることではないと思います。音楽だけでなく、礼儀やステージマナーも学べますし、なにより度胸もつき場に慣れることもできました。中野 高校生の自分があのようなステージに立っていたんだと思うと、本当にありがたいですし、あの経験がなかったら打楽器をやっている自分が、こんなに歌が好きだということに気づいてなかったかもしれません。城之内 みんな心から世界平和を祈って歌ってくれるんですよ。それにどんどんファンがついてきて、合唱を聴きたくて毎月足を運んでくださるお客様もいるくらいです。中野くんはソロパートを歌ってもらう機会がありましたが、共演者に「彼は打楽器専攻なんだよ」って言ったらみんなびっくりしてたし、中川さんは中学1年生の頃に軽く動きながら歌うのを見て、一人抜群に動きがよかったので、ほめたことがありました。中川 そのことがきっかけてダンスも習い始めて、私って踊ることも好きだったんだなと気づきました。城之内 才能って、自分で気がつくものでもあり、人から見出してもらうものでもあります。そうした機会に、自分ができる最大のパフォーマンスをちゃんとやろうとするのが東邦の学生です。リハーサルも適当にはやらない。「お稽古から本番と思ってやる」という「附属魂」が身体に染み込んでいるんです。これは、東邦中学・高校の教頭先生である声楽家の三柴直子先生の教えだし、それをちゃんと現場で活かしてくれるので、プロのミュージシャンたちも「また一緒にやろうよ!」と声をかけてくれます。音楽も「心・技・体」で成り立っていますから、技術だけでなく心も育っていきます。中川 先輩たちが自発的にやっているのを見るから、自然と自分もそう城之内 二人は高校卒業後、私が教えている東邦音大のPACS(パフォーマンス総合芸術文化専攻)で学んでいる、優秀な学生でもあるんです。中川 高校生での経験で、自分は「演奏する側よりも裏方として舞台を作る方が向いているのでは?」と思い始めました。もともと舞台を見るのも好きだったので、そういう方向に進みたいと思いPACSに進学しました。卒業後はミュージカルを制作する会社に就職が決まっています。城之内 中川さんは、自分の出身校の「クラシックコンサート」というイベントの舞台監督もしてもらいました。それこそ一貫教育ならではの経験を積んでいます。PACSは、現場を提供して、実践できる人は実践で学んでいくスタイルですから。「体験して体で覚えてこい!」って。中川さんは非常に優秀なので、任せられます。先生方との関係も良好ですから。中野 僕は今度4年生になるので、いろんな可能性を試してみたいと思っています。トーチランに参加したことで、打楽器一本の道じゃなくてもいいのかな、と思い始めました。好きな音楽で生活していくためにたくさんの武器を持っておきたい。そうした可能性を教えてくれたのが東邦です。城之内 2人はこのような校風の学校で学び、たくさんの可能性を見つけてPACSに進学してきました。少なくとも私のころは、世の中的に音大の附属に入ったら、クラシック路線でいかなきゃならない風潮もありましたが、今はもっとボーダーレスです。例えばミュージカルが好きで歌が好きだから、学校に入って専門的な勉強を始めるという感覚です。そしてその可能性が広がるのが東邦の素敵なところだと思っています。歌で入ってきたけど今はテレビ番組の制作をしている人もいますし、中川さんのように中高ではヴァイオリンだけど、大学にはミュージカルの歌で入ったという人もいます。短大や大学にはPACSやシンガーソングライター・アーティスト専攻をはじめ、あらゆる「出口」が用意されているので、東邦に入ってからさらに道は拓けると思います。可能性は無限だと教えてくれる先生方がいますから。いう振る舞いをしようという気持ちになれます。ずっと受け継がれた魂ですね。■ 本物を経験することでしか得られない学び■ 学校生活で見つけた、自分の進む道

元のページ  ../index.html#21

このブックを見る