青山学院高等部3年M聖書と日常をつなぐ学院礼拝貴重な経験が今の原動力にたくさんの「好き」が未来を拓く日常を彩るジュエリー体験を23さんさん2002年 青山学院中等部 卒業2005年 青山学院高等部 卒業2009年 青山学院大学経営学部 卒業2009年 ニューヨーク留学2011年 帰国。編集プロダクションや出版社でエディター、ウェブエディターとして勤務2015年 株式会社de Lʼeau設立。代表取締役に就任ジュエリーブランドoeau(オー)設立ジュエリーデザイナーとしても活躍中高田 佳代子 さん会社経営/ジュエリーデザイナー選択授業で受けた「暗号入門」専門を究める楽しさを学ぶ 青山学院中等部はキリスト教教育ならではの特徴で、一般の学校ではできないことを体験できる機会が多くあります。たとえば、同じキリスト教系列の日本聾話学校を訪ねる行事があり、その訪問記を記事にして学報に掲載していただいたのは、貴重な社会的経験となりました。 また、毎日の礼拝とは別に、毎月何回か生徒自身がテーマを決めて発表する学院礼拝があります。私は東京オリンピック会場で迷っていた外国人選手に手を差し伸べた日本人スタッフの話を、聖書の「善きサマリア人」の話と結びつけて発表しました。全校生徒の前で発表した経験は大きな達成感があり、人前に立つ苦手意識も克服できたと思います。 中等部ならではの国際交流も活発です。オンラインで北京の学校と結んでお互いの文化を英語で紹介し合ったり、チャットルームではいろんな国の留学生と自由におしゃべりしたり、さまざまな場が用意されています。おかげで今は、英語で話すことに抵抗がなく、会話を楽しんでいます。 中等部の最後に、男女1名ずつ成績優秀者を表彰する私学表彰は絶対に欲しくて、1年生の頃から努力してきたので、夢がかなった時は本当に嬉しかったですね。多くの経験が今の自分の自信や原動力につながっています。常にアンテナを張り、一見興味のないことでも挑戦してみてください。きっと視野が広がって将来につながると信じています。 僕の学年は入学した年がコロナ禍の始まりで、一度も学校に行けないまま自宅学習になってしまいました。学校から宅配便で教科書や学用品を入れた段ボールが送られてきて、配信動画を見ながら授業を受ける毎日。最初は緊張したけれど、慣れてくると時間配分も自分のペースででき、時短でも効率よく学べることに気づきました。非常事態ではあったけれど、最先端のICT教育をいち早く体験できたとも言えますね。 中等部には学習意欲をそそる授業がたくさんあります。特に3年生の選択授業でとった「暗号入門」は、入学する前から狙っていて、この授業を受けたいというのが中等部の志望動機のひとつでした。授業では、暗号にまつわる最新の数学を学ぶのですが、かなり専門的な内容で、本来なら高校で学ぶユークリッドの互除法とか不定方程式まで扱うのです。暗号を通して、数学、歴史、美術、プログラミング、ミステリなどいろんな要素が絡み合ってくるので、視野が広がりました。 他にも、「国語表現」という授業では課題図書を読んで、他の人が手に取りたくなるブックカバーを創るという実習もあり、普通の読書感想文とは違うアプローチがおもしろかったですね。専 門に強い先生 方がたくさんいらっしゃるので、授業も行事もいろいろな体験ができますよ。中等部時代はあっという間なので、大切に過ごしてほしいと思います。 私は今、ジュエリーの会社を経営しています。ジュエリーって生活必需品ではないけれど、ひとつ身に着けるだけで気分が華やぐでしょう? 私が手掛けているoeau(オー)というブランドは、フランス語で「酸素と水」を意味しています。人生とともに歩む一生ものだけど、普段づかいもできて毎日を輝かせてくれる、そんな存在でありたいと思いを込めてデザインしています。 とはいえ、中等部の頃から将来を決めていたわけではなく、漠然とファッションへの興味があったぐらい。でも、中等部の制服はある程度決まりがある中で、自由度も高くてアレンジのしがいがあり、毎日ちょっとずつ工夫して楽しんでいるうちに、好きが高じて将来のデザイナーの仕事につながったのかもしれません。 会社を立ち上げたのは、出版社で勤務していた時に「高田さん、ジュエリー向いてそうだよね」という上司の一言がきっかけでした。私のモットーは「チャンスの神様に後ろ髪はない!」。 その一言ですぐに会社を立ち上げ、半年後には展示会をやり、年内にはセレクトショップで販売するという怒涛のフットワークでした。 皆さんも将来に対する漠然とした不安があるかもしれませんが、焦ることはありません。毎日の中で「あ、これ、楽しいかも」というたくさんの「好き」を見つけてください。中等部は自由な校風で先生方もやりたいことを応援してくれます。 「好き」が将来の夢につながるかもしれないし、何より日常が豊かに彩られるでしょう。 時には悩むこともあります。そんな時、中等部の毎日の礼拝は一番心が穏やかになる時間。心をリセットして自分と向き合い、悩みを昇華させることができました。青山学院中等部で過ごした毎日は、今の私を形づくる源泉です。ぜひ素敵な時間と人間関係の中で、自分を輝かせるジュエリーのような人生を描いてください。青山学院高等部3年O卒業生からのメッセージ
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