女子美術大学付属高等学校・中学校|デジタルパンフレット
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2024年度 高校一般入学試験 〈実技試験参考作品〉 [モチーフ]オレンジ箱(白)箱(透明)リボン水彩画と鉛筆デッサンのいずれかを選択して受けることができます。作品はどちらも卓上静物で、2時間で描きます。水彩画の場合は、構図に注意して形、色彩、立体感、明暗や陰影の変化をよく観察して、元気良く絵具をたっぷり使って描いてください。鉛筆デッサンの場合は、モチーフをていねいに見て構図、形、立体感、光の方向性や物の質感を捉えるように心がけて描きましょう。力のこもった作品を期待します。[ 講 評 ] モチーフ全体を一つの塊と捉えた構図が、説得力のある作品です。個々の形だけでなく、互いに関わり合う微妙な角度も正確で、安定した状態で質感表現に移行できていることが伝わります。固有色の明度の描き分けも丁寧です。上の箱やリボンの持つ独特な透明感も、素材をしっかり見極め鉛筆の種類を使い分けて描写しているのが分かります。細部まで気を配り完成させています。[ 講 評 ] [ 講 評 ] 鉛筆の濃淡で微妙なグレーを描き分けた、空間表現が美しい作品です。上の箱の折り目の捉え方がていねいで、箱の特徴がよく出ています。下の箱は形が正確で、面の向きに沿って鉛筆の線を残し、質感表現を効果的にしていることが伝わってきます。モチーフが全体的に小さくなってしまったところが惜しいです。リボンの描き込みも、もう少し細かくできたらより完成度が上がるでしょう。基本形態がしっかり描かれた安定感のある作品です。鉛筆のタッチが力強く、インパクトのある仕上がりになっています。コントラストが強すぎる印象もありますので、仕上げの段階では硬めの鉛筆を使ったり、筆圧を弱くしたりして中間的なグラデーションの幅を広げることを意識すると、リボンなどの薄いもの、軽いものの質感表現につながるでしょう。練り消しゴムで軽く押さえるのも有効です。40鉛筆デッサン

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